一物四価とはなにか分かりやすくまとめてみた
【不動産基礎知識】
こんにちは!インクスサポート管理人のテツです!
本日は、土地の一物四価について勉強していきましょう。不動産の楽しいところは、一つとして同じものがなく、それぞれに歴史や個性があるところです。
街には、多くの商品が溢れています。スーパーマーケットなどに行くと、同じ商品が沢山陳列されていますね。もちろん、同じものですので、価格も同じです。
では、一つとして同じものがない不動産は、どのように価格が決まるのでしょうか。本日は、不動産の価格の指標となる一物四価について、ご説明いたします。
Aさん 「昨日、基準地価が発表されたね!」
Bさん 「そうだね!私たちも、最近、不動産について興味が出てきたね!」
Aさん 「基準地価は、一物四価の話にも関係があるらしいよ!」
Bさん 「それじゃあ、勉強して行こうか!」
不動産業界で働きたい方や不動産業界について知りたい方のために、本日は、一物四価についてわかりやすく解説いたします!
○一物四価とは。
同時に1つの物に対して、4つの違う価格があることを、一物四価といいます。ちなみに、ある時点におけるサービスや価格は1つしか成立しないという法則が一物一価といいます。では、なぜ不動産の場合、4つもの違った価格があるのでしょうか。不思議ですね。それでは、次の項目で解説します。
○4つの価格とは。
不動産の価格には4つあります。
では、1つずつ見ていきましょう。
○実勢価格
実勢価格とは、実際に取引がされる価格のことです。相場価格や時価と表現されることもあります。
○固定資産税評価額
固定資産税などを賦課するための基準となる評価額です。全国的に公示地価の70パーセントの価格水準といわれています。
○相続税路線価
市街地などにおいて公衆が通行する道路などに付けられた価格です。全国的に公示地価の80パーセントの価格水準といわれています。
○なぜ4つの価格が存在するのか。
不動産には4つの価格が存在すると説明しました。では、なぜ4つもの価格が存在するのでしょうか。それは、価格の使われ方が全て違うためです。詳しくそれぞれの価格についてみていきましょう。
○実勢価格の使われ方
売りたい人と買いたい人がいれば、不動産の売買取引をすることは可能です。買いたい人と売りたい人がお互い納得のいく価格が実勢価格になります。売りたい人が早期に現金化を希望しており、相場より安値でも売却したい場合や買いたい人が目的の不動産がどうしても欲しく相場より高値でも購入したい場合など、当事者の事情は様々です。実際に取引が行われてみないとわからないのが実勢価格ですね。
○固定資産税評価額の使われ方
固定資産税は、土地や建物の所有者に課される税金になります。固定資産税評価額とは、固定資産税を算出する際に、必要とされる価格です。固定資産税課税台帳に土地と建物それぞれの評価額が記載されています。固定資産税評価額は、3年に一度、価格が改定されます。
前項で、固定資産税評価額は公示地価の7割評価と説明しましたが、これはなぜなのでしょうか。答えは次の3つです。①固定資産税評価は、地価公示価格に含まれる合理的期待(例えば新駅が出来る将来期待等)要素を排除しているため。② 固定資産税評価は大量一括評価の面もあり、評価の安全性をみた堅めの価格としている。③ 地価下落時での、賦課期日と価格調査基準日(1年前)とのタイムラグを調整しているため。とされています。この考え方からすると、公示地価の70パーセントとは、あくまで目安だと言う事がわかりますね。年に1度、不動産の所有者に課せる税金なので、払いやすくするため7割評価という考え方もあるようです。
○相続税路線価の使われ方
相続税は、土地や建物の所有者に相続が発生した際に、相続人にかかる税金です。相続税路線価とは、相続税を算出する際に、必要とされる価格です。
前項で、相続税路線価は公示地価の8割評価と説明しましたが、これはなぜなのでしょうか。答えは次の3つです。①固定資産税評価は、地価公示価格に含まれる合理的期待(例えば新駅が出来る将来期待等)要素を排除しているため。② 固定資産税評価は大量一括評価の面もあり、評価の安全性をみた堅めの価格としている。③ 地価下落時での、賦課期日と価格調査基準日(1年前)とのタイムラグを調整しているため。とされています。この考え方からすると、公示地価の80パーセントとは、あくまで目安だと言う事がわかりますね。固定資産税と同じく払いやすくするため、また相続税と比べ、課税する機会が少ないから8割評価という考え方もあるようです。
○公示地価の使われ方
公示地価とは、国が取引の指標となる価格を定めたものです。実際に取引をしたいとき、指標がなければ価格水準がさっぱり分かりませんよね。そのようなときに、活躍するのが公示地価です。公示地価の難点は、路線価などに比べ、調査箇所が少ないところです。しばしば、対象地の近隣に調査箇所がない!!となります。
○まとめ
■不動産における一物四価とは、①実勢価格②固定資産税評価額③路線価④公示地価のことである。
■実勢価格とは不動産売買の取引価格のことである。
■固定資産税評価額とは固定資産税の算出に使用される価格である。
■相続税路線価とは相続税の算出に使用される価格である。
■公示地価とは売買取引の指標となる価格である。
■価格水準はあくまでも目安。
Aさん 「一物四価の考え方がわかれば、実家の査定も自分で出来ちゃったり?」
Bさん 「調子のってる(笑)それぞれの価格の調べ方もわからないくせに!」
Aさん 「あっ。確かにそうだね。それも1つずつやり方を調べていかないとね!」
Bさん 「次回も楽しみだ!」
本日は、一物四価についてお話をしました。私が不動産賃貸業界に勤めていたとき一物四価について全然知りませんでした。鼻くそほじりながら、『知らんがな。そんなもん。部屋決めりゃ良いんや』って思ってました。売買をしてみると、これは基礎中の基礎で、一般人でも知っている場合がありました。不動産の価格査定などをすると一物四価の重要性に気づくと思います!価格査定などの実務的な内容は、また後日詳しく説明します!